2015年02月01日

リリースアナウンスから見る LibreOffice の成長

LibreOffice 4.4.0 がリリースされましたが、これは3.3が2011年1月27日にリリースされて以来、9番目のメジャーリリースとなっています。
今回のリリースアナウンスが日本語訳でも出されましたが、タイトルが「これまでで最も美しいLibreOffice、LibreOffice 4.4リリース」となっています。
http://listarchives.libreoffice.org/ja/announce/msg00153.html

ちょっと気になってみたので、これまでのリリースアナウンスにどんなタイトルが付けられていたのかさかのぼってみました。

2011年1月25日 3.3 「The Document FoundationよりLibreOffice 3.3リリースのお知らせです」
http://listarchives.libreoffice.org/ja/announce/msg00009.html

2011年6月3日 3.4 「The Document Foundation が LibreOffice 3.4.0 をお知らせします」
http://listarchives.libreoffice.org/ja/announce/msg00022.html

このあたりは定型という感じであまり特徴のないものです。しかし3.5以降は各バージョンに独特のタイトルが付けられます。

2012年2月14日 3.5 「かつてない最高のフリーのオフィススイート」
http://listarchives.libreoffice.org/ja/announce/msg00050.html

2012年8月8日 3.6 「新機能と改善に富んだ LibreOffice 3.6」
http://listarchives.libreoffice.org/ja/announce/msg00071.html

新しい機能に注意が向けられています。OpenOffice.orgの負の部分を改善しながら新機能にも目を向けられるようになったことが分かります。

2013年2月7日 4.0 「コミュニティが12年間夢見てきた自由なオフィススイート」
http://listarchives.libreoffice.org/ja/announce/msg00097.html

ここでは、コミュニティとして健全に機能していることを強調しています。
そして続くリリースからは互換性について取り上げられていきます。

2013年7月25日 4.1 「相互運用性を高めた画期的なリリース」
http://listarchives.libreoffice.org/ja/announce/msg00110.html

2014年1月30日 4.2 「処理性能と相互運用性、および Microsoft Windows との整合性の改善に注力したリリース」
http://listarchives.libreoffice.org/ja/announce/msg00124.html

2014年7月30日 4.3 「現在、これを越えるオフィススイートを手にすることは不可能です」
http://listarchives.libreoffice.org/ja/announce/msg00138.html

4.3では機能的に自信作であるという雰囲気が伝わってきます。

そして今回が「これまでで最も美しいLibreOffice」ということで、機能だけでなくデザイン性を含む「美しさ」にまで注意を向けられるようになってきたということが示されているようです。

実際、4.4ではメニューバーやコンテキストメニュー、ツールバー、ステータスバーといった部分に手を入れて、機能を追加するだけでなく、すでにある機能を使いやすくすることにも目が向けられています。またアイコンやテンプレートなども新しく用意されています。ダイアログも変更がなされて翻訳した文字がダイアログで一部表示できないというようなこともなくなっています。

各バージョンのタイトルからもLibreOfficeとコミュニティの成長が見て取れます。次のバージョンの特徴はどんなところにみられるのでしょうか。楽しみです。
posted by matuaki at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | LibreOffice

2015年01月30日

LibreOffice 4.4.0 のメニューの未訳について

LibreOffice 4.4.0がリリースされました。

LibreOfficeのバージョン x.y.0(一番最後が0のバージョン)は、いち早く新機能を試してみたい人用とみなされています。
翻訳も含め、安定感を重視しておられる方はもうしばらく4.3系列をご使用ください。

さて、今回の4.4.0でメニューの未訳箇所があります。
このあたりのスレッド参照

Writer:

Calc:
「書式」-「数の書式」-「Time」 https://bugs.documentfoundation.org/show_bug.cgi?id=88250

この4つは後のURLに示したとおり、訳せない文字としてBugzillaに登録されています。

今回これを取り上げたのは、翻訳に参加してくださっている方が、
 1. メニューに訳していない文字がある!
 2.KeyIDを調べるために言語設定を変更して、LibreOfficeを再起動する
 3.未訳の部分にKeyIDが設定されていない! orz
とならないための情報です。

また未訳ではありませんが、4.4.0のCalcでのシート名先頭文字が既定で「シート」となっています。リリースノートにも書かれていますのでご覧ください。
シート名を「Sheet」決め打ちでマクロを組んでいるような方は要注意です。これは4.4.1で戻る予定です。また「オプション」設定から先頭文字を変更して使用することも可能です。

こうしたことは、l10n@global.libreoffice.org や discuss@ja.libreoffice.org のMLで公開されていますので、関心のある方は追ってみてください。

posted by matuaki at 21:53| Comment(0) | TrackBack(0) | LibreOffice

LibreOffice 4.4.0 リリース

LibreOffice 4.4.0 がリリースされました。

リリースノートはこちら

ダウンロードはこちらから

いつもどの機能を使っているかによって今回の新しいバージョンの新機能のうれしいところが違うと思いますが、わたしはWriterでツールバーのボタンから色のパレットを選択できるようになったことや、スタイルの「選択範囲と一致するように更新」機能がとても便利だと思っています。
4.4.0_ColorPalette.png

またリリースノートにも書かれていますが、各種フィルタが改善されているところにも注目できると思います。LibreOfficeでVisioやPublisherのファイルを読み込めることをご存知でない方も多いのではないかと思うのですが、このファイル形式のフィルタも進化しています。MS Officeとの互換性を気にしておられる方はぜひ試してみられることをおすすめします。

OpenOffice.org の負の遺産を捨てて、成長していく LibreOffice の今後が楽しみです。

posted by matuaki at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | LibreOffice

2015年01月27日

LibreOffice Viewer からのファイル選択

LibreOffice Viewr for Android のBeta版がリリースされていますが、このアプリを起動した時のファイル選択画面がなかなかいいですね。

Google Playからのダウンロードはこちらから

Grid View
このアプリの起動した時の画面はこんな感じです。
フォルダが黒いマルで表示されて選択できるようになっています。
また「EVERYTHING」をタップすると、表示するドキュメント形式を選ぶことができます。

Grid_View1_1.png

次の画像のように右上のメニューから、作成日付、ファイルサイズ、ファイル名で並べ替えができそうですが...
続きを見る
posted by matuaki at 17:21| Comment(0) | TrackBack(0) | LibreOffice

LibreOffice 独自のバグ登録システム稼働

LibreOfficeのバグ登録にFDO Bugzilla が使用されてきましたが、LibreOffice単独で使えるThe Document Foundation が準備したBugzilla が稼働しました。

サイトのURLはこちらです。

Screenshot_Bugzilla_.png

これまではProduct を選択しなければなりませんでしたが、(LibreOfficeは「L」から始まるプロダクトでしたので選択にはかなりスクロールする必要がありましたね)、もうこれは必要ありません。

これまで使用されてきた https://bugs.freedesktop.org/ は今後利用されなくなりますので、URLをブックマークされていた方は変更が必要です。こちらのURL(http://bugs.libreoffice.org/ )は新しいサイトへ転送されるようです。

バグの登録や検索が容易にできることは、プロダクトの安定と発展には欠かせない要素です。こうしたところに力を入れられるTDFの現状は、非常に良い体制になっていると言えるのではないでしょうか。

また少し前(1月17日)ですが、登録されているバグについて「未確認」のバグが300を下回った!という情報がMLに流れていました。

現在(2015年1月27日)でも294件となっていますので、日々バグ登録がなされている一方で、それが確認されていることが分かります。
もちろん修正までは、確認されてから後の作業のほうが多いわけで、修正を必要としているバグがこの数だというわけではありません。しかし、ユーザーがバグとして登録したものが放置されているような状況ではないという点が重要です。

5年目を迎えているThe Document Foundation と LibreOffice は前進しています。
posted by matuaki at 16:33| Comment(0) | TrackBack(0) | LibreOffice