2010年05月04日

OracleのODFコンバータの有償化に見る戦略

OracleがSun Microsystemsを買収しましたが、その後Sunのオープンソース推進の姿勢がどのように変化するのか注目されています。
4月21日に行なわれたOracleのセミナーではOpen SSOやGlassfishなどが継続してオープンな形で提供される事が説明されたようです。もちろんSunのこれまでのオープンソース推進の姿勢そのものでは企業として十分に成功していなかった側面があるので(そのために買収されたとも言える)すべてがこれまで通りというわけにはいかないでしょう。

これまでとは違うというところが「Oracle ODFコンバータを有償化」のニュースに見られるかもしれません。
http://www.computerworld.jp/news/sw/179729.html
ODFコンバータはMicrosoft OfficeからODFに変換するツールで、これまでSunは無償で提供してきました。それが1ユーザー90ドルという価格が設定されたのです。この金額がOracle Office Standard Editionの価格(49.95ドル)より高く設定されているというところは興味深い点です。この変更をどのようにみなすかはいろいろな意見があると思います。ここではOracleがOpenOffice.orgを高く評価しているとの前提で、この変更に込められた意味を推察してみたいと思います。

Oracleのロゴの入ったOpenOffice.org3.2.1が間もなくリリースされる予定です。そのソフトをインストールするとWriterやClacで作成されたドキュメントのアイコンが変更されたことに気づかれると思います。どのドキュメントのアイコンにも「ODF」の文字が書かれています。Oracleは「ODF」という規格を強く意識していることを表しているのではないでしょうか。

ODFはヨーロッパを中心に標準規格として採用されつつあり、Microsoft Officeでさえ無視できない存在となっています。そこでこのODFコンバータが無償で提供されるとしたら、すでにMS Officeを使っている人はOpenOffice.orgやOracle Open Officeに移行するのではなく、コンバーターを導入することによって対処しようとするでしょう。むしろ有償でもMicrosoft Officeを利用したい人には、ODFの変換も有償でどうぞ、もしそれがNGであればオフィスソフトそのものをOpenOffice.orgに変えられたらどうでしょうか。といった態度だと見ることもできます。

少し古い記事ですがSunの提供していたコンバーターとMSが実装しているODFへの保存とを比較して、Sunの方が優れているという意見もあります。
http://office-watching.com/blog/2007-07-12/30/

これまではMicrosoft Officeとどれほど互換性があるかということでOpenOffice.orgは評価されてきました。しかしOracleはODFを基準にしてオフィスソフトの良し悪しを評価すべきであり、OracleはODFの存在を強調し、そこからデファクトスタンダードとしてのOpenOffice.orgやOracle Open Officeがあると主張しているようにも見えます。
こういう考えはあくまでも楽観視しすぎているでしょうか。
posted by matuaki at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | OpenOffice.org全般
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